鬼の洗濯板に囲まれた不思議の島・青島神社と太古の神々



美しい砂浜が続く『宮崎県』の『青島海岸』は

海水浴やサーフィンを楽しむ人々で賑わう
全国有数のビーチリゾートでございます。

ビーチからすぐ
手の届きそうなところに見える
『青島』

まるで『ミルフィーユ』のように
まっすぐに重なり合った地層の上に乗る

周囲約1.5キロメートルの島の真ん中には
霊験あらたかな『青島神社』が鎮座ましましております。

海岸から伸びる
全長120メートルの『弥生橋』を渡り

『青島神社』を参拝いたしました。

ビーチを歩いて青島へ



一晩お世話になりました『青島グランドホテル』様

ロビーでチェックアウトさせていただき

正面玄関からではなく

海側の出口から出てホテルを後にします。

松林の向こうに広がる『青島海岸』

今日は昨日の荒天とは対照的に
真っ青な空の下

美しい海岸線が広がります。

ビーチに沿って南に歩いて行きます。

正面には『青島』が見えます。



おや、サーフィン教室でしょうか?

インストラクターの先生と

生徒さんが

準備運動をされています。

海岸線を10分ほど歩きますと
『青島』へと続く『弥生橋』に到着いたします。



『トウクトウク』が停まっています。
観光ツアー用でしょうか?

『バンコク』が懐かしく思い出されます。

弥生橋を渡り青島へ



白い石畳の橋は
『青島神社』に向かって伸びる
『海の上の参道』でございます。



橋を歩きながら、右を見れば

海岸沿いに建つ『青島グランドホテル』が



左を見れば

黒く細かい層を成した『鬼の洗濯板』が広がります。



泥岩と砂岩が層になって堆積した地層が

隆起と沈降を繰り返し

巨大なバーコードのように

波間に向かって幾重にもまっすぐ延びる光景は

まさに不思議でございます。



青島神社境内へ



『弥生橋』を渡り切ったところに

大きな灯籠がございます。

さらに進むと

『青島神社』の立派な鳥居が建っております。



鳥居をくぐりますと

目にも鮮やかな朱色のお社が目に飛び込んでまいります。

遙かなる大昔

『天照大神』は

お孫さんの『天尊瓊瓊杵尊』
(てんそんににぎのみこと)を

たいそう可愛がっておられました。



あるとき、『天照大神』は『瓊瓊杵尊』に

『おまえは、これから地上世界に降りて、太平の世をつくりなさい。』と仰せになり

『瓊瓊杵尊』は『高千穂』の地(現在の宮崎県)に降臨します。



ある日『瓊瓊杵尊』は

たいそう美しい『木花開耶姫(このはなのさくやひめ)』と偶然出会い

その場で結婚を申し込みます。

『木花開耶姫』は大変嬉しく思ったのですが

『父のお許しをいただきましてから、後日改めてまいります。』

といって帰って行きました。

後日、『木花開耶姫』は

姉の『石長姫(いわながひめ)』と一緒に
『瓊瓊杵尊』のもとにまいります。

3人は一緒に暮らしはじめますが

『瓊瓊杵尊』は、どうも姉の
『石長姫』があまり好きではありませぬ。

美しい妹の『木花開耶姫』とは対照的に
『石長姫』は器量が良くなく
岩のようにゴツい女性でした。

ある日『瓊瓊杵尊』は
『石長姫』を故郷に返してしまいます。

姉妹の父『大山津見神(おおやまつみのかみ)』は

『末長く岩の如き磐石な世を
そして美しい繁栄をと願い
姉妹を遣わしたのに』

と嘆きました。



時は流れ

『瓊瓊杵尊』と『木花咲耶姫』との間に誕生した2人の兄弟

『火須勢理命(ほすせりのみこと)海幸彦』と

『火遠理命(ほおりのみこと)-山幸彦』は

立派な青年に成長します。

ある日『山幸彦』は

兄の『海幸彦』から借りた釣り針を使って
河で釣りをしておりましたが

釣り糸が切れて釣り針がなくなってしまいます。

『やあ困った。兄様にお借りした大事な釣り針を
なくしてしまったぞ』

『山幸彦』は河の上流から針を探し
やがて海へと至ります。

そこへ

『潮筒大神(しおづつのおおかみ)』が現れ

『君が探している釣り針のありかを
私は知っているよ。ついてきなさい。』

といって、『山幸彦』を海の底の国

『海神国(わだつみのくに)』に連れて行きます。



『山幸彦』は『海神国』で

たいそう美しい『豊玉姫命(とよたまひめのみこと)』に出会い

しばらくの間仲睦まじく暮らしますが

『山幸彦』は、どうにも地上に残してきた家族のことが
気になって仕方がありませぬ。

ある日『山幸彦』は『豊玉姫命』に

『豊玉姫よ、わたくしは地上に帰らなければならない。ゆるしておくれ。』

といい、『海神国』を後にします。

『豊玉姫命』はとても悲しみましたが

別れ際に、『山幸彦』が探していた釣り針を手渡します。

この釣り針、実は『海神国』に仕える鯛の口に
引っかかっていたものを

『豊玉姫』の父『豊玉彦命(とよたまひこのみこと)』が取り出し
隠しておいたものでした。

この神話は、あの『浦島太郎』の物語の原型であるといわれております。

そして、この『青島神社』には

『彦火火出見命(山幸彦)』
『豊玉姫命』
『塩筒大神』

が祀られております。


甘乳蘇ソフトクリーム



参拝をさせて頂いたところで
ひと休み。

境内に向かって右側に売店があり
お土産物が置かれております。

ちょっと気になりましたのが

『甘乳蘇ソフトクリーム』(300円)

『蘇』というのは
『飛鳥時代』から『平安時代』にかけて食された
牛乳を煮詰めて乾燥させた贅沢な食べ物だそうでございます。

『甘乳蘇ソフトクリーム』にも
この古代の珍味がブレンドされています。

早速購入し
売店横の休憩スペースでいただきます。

まろやかなお味でございます。



ちなみに
『蘇』も売っておりましたが

『キャラメル箱』サイズで1,000円と
ちょっとお値段が高めでしたので
購入はいたしませんでした。

参拝を終え、境内を出まして
さらに島をぐるりとひと回りいたします。

青い空と美しい海と
『ミルフィーユ』のような波状の海岸線が

大変印象的でございます。