星空に一番近い温泉として名高い『万座プリンスホテル』様に
1泊2日でお世話になりました。
『軽井沢駅』から送迎バスで約1時間30分
由緒ある避暑地として名高い街並みを抜け
『JR線万座鹿沢口駅』から山道へと入り込み
奥深い霧に包まれた森の中に
突然現れたリゾートホテルは
まるでレモンミルクのような
不思議な色をした温泉を有する
まさに個性溢れる温泉郷でございます。
万座温泉の歴史
『万座温泉』
人里離れた温泉郷が歴史に登場するのは
江戸時代中期に『沼田藩』藩士『加沢平次左衛門』が記した
『加沢記』という書物の中でございます。
時は戦国時代初期
当時この地を支配していた
『羽尾氏』と『鎌原(かんばら)氏』
この二大勢力は、互いに『武田信玄』に仕えていたものの
常日頃から反目し合っており
互いに『すきあらば相手を滅ぼそう』と思っておりました。
ある時『羽尾氏』の頭領が湯治に出かけた際
この時とばかりに『鎌原氏』は
『羽尾氏』の頭領を手にかけてしまいます。
しかしその報復として
『羽尾氏』は『鎌原氏』を攻撃し
この地から追い出してしまいます。
この『羽尾氏』頭領が湯治に訪れたのが
『万座温泉』でございます。
その後、明治時代中期に
この地に3軒の温泉宿が誕生し
1960年に『万座プリンスホテル』の前身
『万座観光ホテル』が誕生しました。
万座高原ホテルの黄色い温泉
赤茶色に焼けた
剥き出しの火山性の岩岩に囲まれた
『万座プリンスホテル』
チェックイン手続きは
ホテルに送迎バスが到着すると
フロントのスタッフの方が車内に乗ってこられて
車内で行われます。
チェックイン手続きが終わり
霧に包まれた車外に出ます。
硫黄の香りに包まれながら
ホテルのロビーに入り
エレベーターを上がってお部屋に入ります。
荷物を置いた後
いつもならここで
浴衣に着替えて
まずはお茶を一服いただくのですが
今回はバスタオルを持って
すぐにロビーへと降りてまいります。
『万座高原ホテル』への無料送迎バスに乗り
温泉巡りをするためです。
ロビーの待ち合わせスペースに待機しておりますと
スタッフの方が
『竜泉の湯はぜひともおすすめです。鮮やかなレモンイエローの温泉ですので、驚かれると思いますよ。』
と教えてくださいました。
送迎バスに乗り5分も経たないうちに
バスは『万座高原ホテル』に到着
ロビーからエレベーターで階下入社降りますと、脱衣所がございます。
腰をぐるりと巻くタオルを着用して
脱衣所から露天風呂へ
視界が広がり、7つも温泉が湯煙をあげております。
この露天風呂は男女共用となっておりまして
男性は腰にタオル着用
女性は全身タオル着用となっております。
気になる方には、フロントでワンピース状の
湯浴み着を購入可能でございます。
7つの露天風呂は、4種類の温泉のいづれか
または混合となっております。
姥湯は、硫化水素が含まれる白濁した蓬色の湯
大苦湯は、白濁した薄い青色の湯
嬬取の湯は、ちょっとピリピリする透明の湯
そして、竜泉の湯
白濁したレモンイエローのお湯で
大変不思議でございます。
おや、家内がやってまいりました。
7つの湯船を、順に浸かってまいりますよう
硫黄の香りがいたします。
大地の息吹を感じつつ
ゆっくりと湯に身を沈めます。
お湯の温度は熱すぎず、ゆっくりと浸かっていられます。
7つの湯船をひと通り巡るころには
からだはぽかぽか
肌はツルツルになります。
こまくさの湯
『万座高原ホテル』の7つの湯に浸かった後
送迎バスで『万座温泉ホテル』に戻ってまいります。
お夕食までの時間
今度は『万座プリンスホテル』のお風呂を頂きましょう。
内風呂『ななかまどの湯』からは
大窓から高原を見渡すことができます。
露天風呂『こまくさの湯』は
標高1,800メートルの『万座高原』が目の前に広がる壮大な温泉でございます。
こちらも男女共用となっておりますので
男性は腰にタオルを
女性は全身タオルを着用して入ります。
この時はすでに日が暮れておりまして
曇った夜空に山々のシルエットが
うっすら浮かんでおりますが
露天風呂のところどころに灯る行燈の灯りが湯面に揺れ
たいへん幻想的でございます。
山の幸あり 海の幸あり
さていよいよ待望のお食事でございます。
今日は『生貯蔵酒』から頂きましょう。
スッキリとした味わいのお酒が
湯上がりの火照った身体に染み込みます。
お献立は
一の膳
先付 青菜ときのこのお浸し
蟹と季節の果物のゼリー寄せ
造り お造り盛り合わせ
鮪 群馬のブランドギンヒカリ
イナダ 山葵 妻一式
焼物 鯛の塩焼き 谷中生姜 酢橘 渋皮栗
二の膳
煮物 大根 小茄子 紅葉麩 赤城とり 青味
強肴 牛肉の炙り 野菜添え 柚子胡椒
食事 炊き込みご飯 味噌汁 香の物
甘味 和のデザート
さっぱりとした山菜のお浸し
蟹の風味の香ばしいゼリーは
食欲をそそります。
河の魚と海の魚のお造りは
この地ならではの贅沢さ
冷酒がすすんでまいります。
香ばしい皮と身もホクホクの鯛の塩焼き
酢橘を絞っていただきます。
茄子と大根の煮物は
とても優しく上品なお味
『赤城とり』は柔らかで
柚子胡椒といただきますと
もう絶品でございます。
炊き込みご飯と
お椀をいただき
もう大満足でございます。
デザートは
メロンと『わらび餅』
果物の甘さと
『わらび餅』のきなこと黒蜜の甘さが
絶妙な取り合わせでございます。
ご馳走様でした。
一夜明けた『万座高原』
緑の山々の至るところに
茶色と白の岩肌が剥き出しになっており
大地の呼吸が聴こえて来るようでございます。
朝食はレストランで『バイキング』形式
シェフが目の前で焼いた下さった
『オムレツ』は、ふわふわでございます。
やはり、朝から『カレー』がいただけますのは
『旅行』ならではの醍醐味でございますな。
それでは、いただきます。