
『黒部川第四発電所』
『北アルプス』の険しい山々に囲まれた
『黒部川』に建設された
高さ180メートルの巨大なコンクリートの壁
『昭和』の時代
戦後の慢性的な電力不足を解消するため
1956年に着工し
1963年に完成し送電をはじめました。
この驚異的なダムを建設するために
171名の方々の
尊い命が犠牲となりました。
この『黒部ダム』建設の動脈となりましたのが
『黒部トロッコ列車』
観光列車としても有名でございますが
今もなお
『黒部ダム』維持管理に携わる方々の足として
重要な役割を果たしております。
さて私達夫婦は
『宇奈月駅』から『欅平駅』まで
『黒部トロッコ列車』に乗車いたしました。

『宇奈月駅』の構内には
9時前の列車を待つ
工事関係者の方々でいっぱいでございます。
ヘルメットをかぶり
大きなリュックを担ぎ
ベルトにはいくつもの工具を下げた方々
その雰囲気に圧倒されます。
この方々が改札を通り
列車で行かれたあと
私達は9時半の列車に乗車いたします。

『宇奈月駅』から『欅平駅』までの
20.1キロメートルの鉄路は
線路幅762ミリメートルの
特殊狭軌
険しい山岳地帯の
急カーブが連続する道のりを
ゆくための仕様でございます。

先頭車両は
オレンジ色の鮮やかな
ED型電気機関車
小振りながら
険しい山岳地帯で
抜群のパワーを発揮します。

客車はオープン型
車両には枕木のように長椅子が
設置されており
幌のような屋根が付いているタイプ
後方には壁面に囲われた
ボックスタイプの客車もございます。
私達夫婦は
機関車のすぐ後ろの
オープンタイプの客車に乗車
どの客車も家族連れや観光客で
すでに満席でございます。

発車ベルが鳴り
『トロッコ列車』は轟轟と
音をたてながら
発車いたします。
渓谷にかかる真っ赤な鉄橋
『山彦橋』
渓流から40メートルという高さから
見渡す景色はスリリングでございます。

列車はトンネルへと
入ってまいります。
まるで洞窟のような
小さなトンネルのなかを
轟音を響かせ進む様子は
まるで
『インディージョーンズ』の
映画のワンシーンのよう

新柳河原発電所
トンネルを抜け
紅葉の美しい山岳地帯を進むと
エメラルドグリーンの水面が
美しくきらめく
『黒部湖』が広がります。

鉄路の行手に
まるで『ヨーロッパ』のお城のような
白い円筒形の石造りの建造物が
目に飛び込んでまいります。
『新柳河原発電所』
建物のすぐそばまで
鉄路が分岐しております。
黒部第二発電所

複雑な渓流の地形に
聳え立つコンクリートの建物
『黒部第二発電所』は
昭和11年に完成いたしました。
『黒部川』の清流に建つ
強固な建物は
見るものを圧倒する景観でございます。

『トロッコ列車』は
紅葉の眩しい雄大な渓谷を進み
1時間30分で

終点『欅平駅』に到着
駅ホームからは
さらにトンネルが続き
ここから先は
工事関係者の方々のみが
行くことを許されております。

ホームからは
『黒部川第三発電所』を
間近に見下ろすことができます。

『仙人谷ダム』からの水流により
電力を生み出す
『黒部川第三発電所』
険しい山岳地帯の急勾配を
トロッコ列車では登坂できず
高さ100メートルという
巨大な竪穴を掘削し
列車の車両ごと運べる
巨大エレベーターを敷設しました。
さらに灼熱の『高熱隧道』を掘り
『仙人谷ダム』の建設の道のりを
築きあげた足跡の影には
多くの尊い命の犠牲がありました。

くっきりと晴れ渡る青空と
紅葉に彩られた険しい山々を
見上げて聳え立つ
『黒部川第三発電所』の
堅牢なコンクリートの建物は
大自然の脅威に果敢に挑み続けた
人々の固い意志が込められているようです。


