ウランバートルから、西へ490キロ
大草原や砂漠をひたすら走ること実に9時間半
『モンゴル』で最も美しいといわれる
『ハンガイ山脈』の麓
『ツァガンスム』にやってきました。
午後7時近くとは思えないほど
空は青く明るく
眩しいほどの若草色に輝く大草原に
真っ白な『ゲル』が点在しております。
日本の『風の旅行社』様の直営キャンプ『そらのいえ』
これからの数日間、『ゲル』での生活が始まります。
大都会『横浜』で生活する私達夫婦にとって
はたして、この雄大な大草原のキャンプでの生活は
どのようなものか、まったく想像がつきませぬ。
食事は?お水は?
歯磨きできるんだろうか?
それよりも、おトイレは?
『ツァガンスム』に到着するまで
いっぱいだった不安は
『そらのいえ』に着いたとたんに
あっというまに、消えてしまったのでございます。
可愛らしい調度品に囲まれたゲルの室内
広々としたシャワールームとトイレ棟(もちろん水洗)
そして、なんと露天風呂!
ここ『ツァガンスム』は、『モンゴル』でも有名な
温泉保養地でございます。
『そらのいえ』のスタッフの方々のお出迎え
9時間半にも及ぶ、ワゴン車の旅で
もはやお尻も、痛くなっておりますが
早速ワゴン車から降り、荷物を下ろしたり
食料やお水、ビールを下ろしたり
その合間にも、周りの景色は
否応なしに、網膜に焼き付けられるかの如く
目に飛び込んでまいります。
真っ青な空と、若草色の大草原と、真っ白なゲル。
キャンプの中央にある、
ひときわ大きなゲルを中心として、
小さなゲルが20個ぐらいございます。
なにやら、こころに熱くこみあげてくるものがございます。
キャンプのスタッフの方々
ご家族の子供たちが、こちらにやってこられ
私達を、温かく出迎えてくださいます。
荷物を抱え、スタッフの方についてキャンプを進みます。
2人用のゲルの中は、とってもおしゃれ
小さな、真っ白なゲルの一つにたどりつき
美しい模様の描かれた木戸を開けると
それはもう
色鮮やかな布に囲まれた室内
ミニチュアのように可愛らしいテーブルやベッド
小さなテーブルに置かれた茶器と、お湯差し
まるで、『シルバニア王国』のうさぎにでもなったかのような
幻想を覚えるほどでございます。
ゲスト用のゲルは、2人用でございます。
ゲルの中は、どうなっているのか?
頭上には、2.5メートルぐらいの高さでしょうか?
光をとりいれる為の
直径1メートルぐらいの円形の天蓋の両側を、
上下に足のついた柱が支えております。
この天蓋を中心として、放射状の骨組みが何本も、
ゲルの外周に向かって、巨大な傘のように設置されています。
この骨組みには、一本一本に、美しい模様が描かれています。
傘の周囲から、地面までの『壁』の部分は、
木製の扉と、格子状の折り畳み可能な
木製の柵で支えられており
周囲を美しい布で囲っています。
ゲルの真ん中-2本の柱の間に、
薪ストーブが置かれており、
煙突が天蓋を抜け、上にのびております。
そしてゲルの外側は、
真っ白な美しいフェルトでおおわれております。
キャンプでは、子供たちが元気に遊んでいます。
まるで、夢の世界に来たようです。
さて、トランクから当座に必要なものを取り出し、
ひと心地ついたところで、
ひと風呂浴びに行くといたしましょう。
そうなのです。
ここ『そらのいえ』には、温泉があるのでございます。
大草原で露天風呂の温泉?!
入り口を入りますと、まずはトイレ。
すべて様式の水洗式でございます。
その奥が脱衣所
そのさらに奥がシャワールームとなっており
シャワールームから外へ出ますと、
露天風呂がございます。
ここツァガンスムは、
モンゴルでは有名な温泉保養地で、
モンゴル国内からも、多数の方が訪れるそうです。
この『そらのいえ』の露天風呂にも、
源泉からパイプでお湯を供給しております。
シャワーで汗を洗い流し、露天風呂に浸かります。
お湯が少々ぬるいのですが、
温泉に浸かりながら、
真っ青な空と、
どこまでも続く大草原を眺めます。
9時間半の旅で、凝り固まった体が、
徐々にほぐれてまいります。
レストラン・ゲルでのディナー
さっぱりしたところで、
いよいよ待望のお食事でございます。
キャンプの中央にある、
ひときわ大きなゲルが、レストランです。
中に入りますと、いくつかのテーブルがございます。
30人は入れる広さです。
私たち夫婦と、
Mr.モンゴル
Mr.キルギス
ガイドのガナさん
ドライバーさんで
一緒のテーブルに座ります。
まずは、ビールで乾杯!!
やはり、風呂上りのビールは、最高でございます。
テーブルに運ばれてくるお料理は、
キャンプの女性シェフが腕を振るって作ってくださったものです。
きっと、私たちが運んできた、
車いっぱいの食材も、使われていることでしょう。
ビールを飲みほした後に、
ウオッカ『チンギス・ハーン』のボトルを注文します。
小さなガラスのグラスにお酒を注いで、
ぐっと一気に飲み干します。
芳醇はウオッカが、のどをつたって、
長旅で疲れた体に浸みわたってまいります。
夕食と、小さな宴会もそろそろお開き。
レストラン・ゲルを失礼し、私達のゲルへ戻ります。
夜の8時近くになるはずですが、
空はまだ、明るいままでございます。
暮れ行く大草原を眺めながら
自室ゲルで少々食休みしたのち、
私は日本から持ってきた『三線』をもって、
キャンプの外へ。
日本の自宅では、遠慮がちに弾く三線ですが、
ここモンゴルの大草原では、
思い切り弾き唄うことが、できるというものでございます。
明るかった空が
徐々に暗くなり
広大な草原の上に
満天の星空が見えてまいります。