バイカル湖は水平線のある湖-シベリア鉄道で湖岸を走る旅

『ウラジオストク』から『モスクワ』の『ヤロスラブリ』まで
『シベリア鉄道』9288キロの鉄路の中で最も美しい景色は
『ウランウデ』から『イルクーツク』までの
『バイカル湖』沿岸部の景色であると申し上げてよろしいかと存じます。

全長680キロ、全幅60キロという世界一の淡水湖の沿岸を
列車は3時間かけて走り抜けます。

向こう岸は見えず水平線が広がる光景は
まるで波の静かな海でございます。

『バイカル湖』方面の『シベリア鉄道』ツアーにご参加の場合は
この絶景を満喫できる時間帯の列車を利用するよう、計画されていると存じます。

もし個人で列車を手配される場合
『ウランウデ』から『イルクーツク』まで日中の時間帯に
通過する列車をご利用されることをお勧めいたします。

夜の時間帯ですと折角の美しい風景が
真っ暗で見えないこととなってしまうのでございます。

バイカル湖は車窓に突然現れる!

ウラン・ウデ駅の売店で購入した
ウインナーロールと、チェブレキ
そして日本から持参した、カップヌードルが
シベリア鉄道最後の晩餐でございます。

 

チェブレキは、表面がサクサク
中にはプリプリのお肉が
たっぷり入っており
美味しゅうございいます。

食べ終わった後に、ビールを頂きたくなり
私達夫婦は、食堂車へ

お客は、私達だけでございました。

シベリア鉄道限定のバルチカビールと
サラダを注文いたします。

サラダは、お肉と豆の上に
サワークリームとチーズが
たっぷりとのっており
さっぱりとした味わいでございます。

ほろ酔い気分で、車窓を眺めておりますと
進行方向右手に、川のような
水の流れが見えてまいります。

『あれが、バイカル湖?』

『いや、まだ見えないでしょう』

ところが、その『川』は
みるみる大きくなり
やがて視界をおおってまいります。

やはり、『バイカル湖』でした。

長年の夢であった、『バイカル湖』を
ついに、肉眼で捉えました。

 

水平線のある湖

『シベリアの真珠』といわれる
『バイカル湖』

ブリヤート共和国と
イルクーツク州に跨る

北東から南西に向かって広がる
世界一の透明度を誇る、この湖

三日月形の湖の、北から南までは
約680km-東京から青森までの距離に
相当いたします。

東西の幅は、最大で80km

面積は、31,494平方kmと、琵琶湖の46倍という
気の遠くなるようなスケールでございます。

深さは、最大で1600mと言われておりますが
湖の底は、泥のような沈殿物が堆積しており
いまだ謎につつまれております。

シベリアのガラパゴス?!

この『バイカル湖』、生態系も独特で
世界で唯一、淡水にすむアザラシ
『バイカルアザラシ』や
淡水魚『オームリ』
『ヨコエビ』など

豊富な生物が暮らしております。

車窓に広がる『バイカル湖』
対岸は見えず、水平線が広がります。

まるで、海でございます。

レストランを出て、コンパートメントに戻ります。

『シベリア鉄道』は、この『バイカル湖』の湖畔を
湖の突端の街『スリュジェンカ(СЛЮДЯНКА)』まで
約3時間ほど走ります。

 

水平線との境い目が、ピンク色に染まってまいりました。

はっきりとした日没は見られませんでしたが

二段ベットの上に寝転びながら、
幻想的な光景を眺めておりました。

真夜中のイルクーツク(ИРКУТСК)に到着

日付が変わり、8月13日(木)午前1時10分

ハバロフスク発モスクワ行きシベリア鉄道43番列車は

イルクーツク(ИРКУТСК)の駅に到着。

3日間お世話になったコンパートメントとも
お別れでございます。

しっかりと着込んで、トランクを引いて
煌々と明かりの灯る、ホームへ降り立ちます。

列車に沿ってホームを歩き、
地下通路をくぐって、駅舎に到達します。

真夜中だというのに
駅舎の外には、ダンスミュージックが流れており
ナイトライフを楽しむ若者で、にぎわっております。

バスに乗り込み、アンガラ川を渡り
市内のホテルへ。

チェックイン手続きを済ませ
部屋に落ち着いたのは、
午前2時をまわった頃でした。

3日ぶりのシャワー
本当に気持ちのよいことでございます。

水も澄んでおり、臭いもございません。
アンガラ川の水でしょうか?

ベッドに入ったのは、午前2時40分ごろ
久しぶりに、ゆっくり体を伸ばせます。

朝6のモーニング・コールまで
3時間ちょっと眠れます。

それでも、幸せでございます。

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