外国人よりもタイ人が訪れる通の旅ーアムパワー水上マーケット



『タイ』西部の『サムットソンクラーム県』

優れた軍人であり詩人でもあった『ラマ2世』は
この地で国境警備の任に着き
『ビルマ軍』の国境侵攻から『シャム王朝』を防衛しました。

『ラマ2世』はその時、村の美しい娘を見初め
彼女を妃として迎え入れます。

『サムットソンクラーム県』の人々は
昔からの伝統的な生活様式を守ることで
この地の豊かな自然をも守っておられます。

『メークロン川』に注ぐ運河の街『アムパワー』
週末の夕方に行われるマーケットには
たくさんの人々が訪れます。

バンコクから車で約1時間

『水上マーケット』で最も有名なのが
同じ『サムットソンクラーム県』の
『ダムヌンサドアック』

野菜や果物や民芸品を積んだ小舟が
運河狭しと行き交う光景は
『タイ』の風物詩として、写真などでよく紹介されております。

『ダムヌンサドアック』の『水上マーケット』が
毎日午前中に開催されるのに対して

『アムパワー』の『マーケット』は
金曜日と土曜日の15:00から21:00まで

『ダムヌンサドアック』は海外の観光客が多いのに対して
『アムパワー』は『タイ』国内から訪れる人々が多く
私達外国人にとっては『穴場』と申せましょう。

というわけで今回も、『パンダバスツアー』様の
『アムパワーマーケット半日コース』に申し込ませていただきました。

バンコクから西へ

午後1時に『チットロム駅』近くの『コンチネンタルホテル』のロビーに集合し
ワゴン車で『アムパワー』に向かいます。

ガイドの『ビアさん』

とても優しい男性の方で、日本語をお話しになります。

ワゴン車は『バンコク』市内の高速道路を走り抜け
一路西を目指します。


西日に照らされた塩田地帯を通り
やがて『鉄道マーケット』で有名な『メークロン駅』を通り過ぎます。




『サムットソンクラーム県』は
『タイ』で一番小さな県

ここには『タイ陸軍』の駐屯地がございます。

ワゴン車はやがて『メークロン川』の川岸の道路の片隅に停車

ここで車から降ります。



川沿いにある『警察署』にお邪魔しトイレ休憩

運河沿いのマーケットまで歩いてまいります。



運河に至るまでの通りの両側には

食べもの屋さん
お土産やさん
洋服屋さん
お菓子屋さんなど

様々な屋台が並び、大変賑やかです。

運河沿いのマーケット

行き交う人々の間を抜け通りを進んで参りますと
運河に到達いたします。
運河には木製の橋が架かっております。



橋は、下を小舟が通れるよう
中央の高さが5メートルぐらい
両側が階段になっております。

階段を上がり橋の中央に立ちますと
『アムパワー』の全貌を見ることができます。

『メークロン川』へと続く運河の両側には
たくさんのお店が並び、人々が行き交います。



時折、運河をライフジャケットを着用した観光客を乗せたモーターボートが走って行きます。

運河沿いのお店は、『長屋』形式で壁続きとなっておりますが
木の扉には美しい彫刻が施されており
上品さを感じさせます。



小一時間ほどマーケットを行きつ戻りつし
賑やかな雰囲気を楽しみました。

購入しましたのは、ミサンガ5本
1本20バーツと大変お得でございます。

バナナを蒸したのは、アロい!?

日がだんだと暮れてまいりました。
暮色に包まれた水上マーケットは
大変美しいものでございます。



水面に映るピンク色の空
お店に灯された柔らかな色のランプ

優雅な曲線を描く建物のシルエット

思わず絵に描きたく風景でございます。

ツアーの予定では、『バンコク』市内への戻りの予定時刻は20時頃ですので
ここで何かお腹に入れておいたほうが良いと考え
運河沿いにオープンテラスのある食堂で
早めの晩御飯をいただきます。



テーブルについてお料理とビールを注文し
周りの景色を眺めてくつろいでおりますと

一人の老婦人が近づいてまいります。

籠には、透明な小さなビニール袋
(昔、縁日で買った金魚を入れるような袋)に入った煮たバナナが詰められております。



老婦人 籠の中のバナナを私達に見せて
『アロイ(タイ語で美味い)』を連発されます。

老婦人 お店とは無関係な方の様
店先で営業活動を展開する老婦人に対しても
お店の方も何もおっしゃらず

バナナは一袋6バーツということで
1つ購入すると
老婦人 糸のついたビニール袋と
1本の串をくださいました。

 

仄かに暖かいビニール袋の中のバナナを
串で刺して頂きます。

バナナはあまり甘くもなく、微妙なお味ですが
少し桃色に染まったバナナは
おそらく添加物もなく、自然なものなのでしょう。



ビールとお料理が来ました。

人々が行き交うマーケットを眺めながら
ビールで乾杯しお食事を頂きます。

日もすっかり沈み、マーケットは煌々と灯りの灯る夜の風景になってまいりました。



マーケットを後に
川沿いの警察署前に戻ります。

蛍の住む川へ

ここからモーターボートに乗り
『アムパワー』の運河を遡り、マーケットを水上から鑑賞します。

ボートに乗りライフジャケットを着用すると
エンジンが勢いよく掛かり、出発いたします。

『メークロン川』の向こう岸に見えるのは
お寺でございます。



美しくライトアップされているので
テーマパークかと思いましたが
身分の高いお坊さんのお葬式が行なわれているそうです。

モーターボートは『メークロン川』から運河に入り
風を切って疾走します。



美しい木造の建物や木の扉
色とりどりの民族衣装や
お土産  雑貨
お店の前を行き来する人々

運河の両側の光景が
勢いよく流れ去って行きます。



運河を500メートルほど進んだところで
モーターボートはuターンし
再び運河を走り抜け

『メークロン川』の向こう岸にある運河へと入ってまいります。

こちらは『アムパワー』とは対照的に
静かでございます。

運河の両岸にところどころ家が建っております。
チュウには随分と立派なお家もございます。



これらは『ゲストハウス』で
週末ともなりますと
『タイ』の都市部より宿泊にやってくる人々が少なくございません。

小舟に灯りを灯し
網で海老の漁をされていらっしゃいます。

エンジンを切り、モーターボートが止まります。

辺りは大変静かです。

ガイドのビアさんが指差す方向に目を凝らします。



木々のあちこちに
柔らかな光が、まるで星のように瞬いています。

ここ『メークロン』には、ホタルが住んでいるのです。

アムパワーを訪れた感想

ここ十数年で、急速な発展を遂げた『タイ王国』

今や『インドシナ半島』の経済を牽引する
超大国と申し上げて過言ではございますまい。

しかしながら、『バンコク』などの都市部では
経済の発展とともに大気汚染や水質汚染が深刻化しております。

そのような環境の変化に巻き込まれることなく

昔からの伝統的な生活様式を継承し

ホタルが見られるほどの『メークロン川』の清流を守り

自然の恩恵を享受する『アムパワー』の人々は

『プミポン前国王陛下』がご提唱された
『足るを知る経済哲学』の理念を貫かれておられるのだと
強く感じました。

週末の夕刻にだけ開かれる『アムパワー』の水上マーケット

店先に並ぶお料理や雑貨
民族衣装などどれも個性的で

歩いているだけで楽しくなってまいります。

静かに流れゆく『メークロン川』のほとりにあるゲストハウス

いつかここに泊まって、木々の間に瞬くホタルをゆっくりと眺めてみたいものでございます。
















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