『ハングル文字』で船名が記された貨物船が並ぶ『厳原港』
まるで外国の港に来たように感じます。
ここからタクシーに乗り
港をまわって約5分ほど走ります。
林へと続く土の小道を行くと
突然視界が開け
済んだ碧色の水を湛えた美しい入江が出現します。
入江を隔てた向こう岸には
象牙色の石垣で造られた船着場が
四つほど並んで岸から入江へと伸びております。
お船江
『鎖国』によって海外との交易を遮断していた『江戸幕府』が
その例外として『対馬藩』に『朝鮮』との交易を認めておりました。
『対馬藩』は『朝鮮通信使』(いわば外交使節)をこの地に迎え入れ
大陸との交易によって色々な文化芸術 技術を伝承いたしました。
『お船江』は『対馬藩』の貿易の重要な拠点として築かれた物流基地でございます。
時代を経た今なお
美しい石垣の船着場が、当時のまま残っており
貴重な文化遺産でございます。
『朝鮮』交易の為の積荷を満載した『対馬藩』の船が、この入江を行き来する様子を
想像いたしましょう。
『厳原』の街中を流れる川
美しい並木道が続き、所々に橋が架かっており情緒あふれる雰囲気でございます。
毎年8月には、『朝鮮通信使』の鮮やかな衣装を纏った人々が街を練り歩く『アリラン祭』が行われます。
是非一度、見てみたいものでございます。
武家屋敷跡
『対馬藩主宗家』とその家臣のお屋敷跡
立派な石垣とお屋敷の門が並びます。
どっしりと落ち着いて、なお風情のある佇まいは、見ていて飽きませぬ。
万松院
1615年『宗家』20代当主義成(よしなり)が
祖先の冥福を祈って建立した『宗家』の菩提寺でございます。
鮮やかな朱のお寺は
私達がよく目にする神社仏閣とは
何処となく赴きを異にするものでございます。
山の上へと続く石の階段と
階段の両側に並ぶ石灯籠
荘厳で神秘的な風景でございます。
上見坂(かみさか)公園
リアス式海岸『浅茅湾(あそうわん)』を一望できる絶景スポット
美しい海に複雑に広がる大小様々の島
あまりの美しさに、思わず息を飲みました。
『対馬』の滞在時間は約2時間半程度
タクシーで『厳原港』を中心とした観光スポットをダイジェストで巡りましたが
短時間でもこれだけの見所がございます。
『朝鮮』との交易によってもたらされた文化が色濃く残る街並みやお寺
『浅茅湾』の雄大な自然
まるで外国を旅行しているように感じます。
さて私達夫婦は、『厳原港』に別れを告げ
フェリーで『玄界灘』を渡り
『壱岐』を目指します。