9万円台で行ける超豪華列車カシオペアの旅


今や絶滅寸前の『寝台列車』

定期列車といえば

『サンライズ瀬戸』

『サンライズ出雲』

がございますが

そのほかにも

不定期でありながらも

いくつかの列車がございます。

『カシオペア』

『東日本』を走る超豪華列車

お値段もなかなかのもので

そうそう手が出ないイメージがございますが

うまく探しますと

10万円を切るぐらいの

ツアーを見つけことができます。

新聞広告で見つけました

『阪急交通社』様のツアー

『上野駅』より

『カシオペア』に乗車し

車中一泊

翌日『青森駅』に到着し

そのまま『東北新幹線』で

『東京駅』に到着いたします。

レストランでの豪華なディナーは

ついておりませぬが

なんと豪華なお弁当付きでございます。

到着した先での宿泊もいりませぬ。

『カシオペア』に乗り

『寝台列車』に乗れれば

良いのでございます。

『カシオペア』

臨時列車ではございますが

ツアーの日程は

インターネットで公開され

募集されております。

上野駅13番線ホーム

『上野駅』中央改札口を通り抜け

左手に曲がって突き当たり

13番ホームは

1階の一番端でございます。

見上げるような高い天井に覆われた

広い空間に

いくつもの鉄路が敷設された光景は

まるで巨大な船のドッグのよう

13番線ホームの端には

臨時の改札ブースが設けられ

女性スタッフの方が

乗車証を確認されています。

私達夫婦も

首から乗車証を下げ

改札ブースを通り

ホームにまいります。

15時20分頃

鉄路の彼方より

プラチナ色の丸みをおびた車両が

近づいてまいります。

橙色に輝く大きなパノラマビューには

車掌さんが直立し

進行方向を目視されています。

『カシオペア』は12輌編成

寝台車1輌

食堂車1輌

ラウンジ車両1輌

(こちらは共用スペース)

オール2階建車両でございます。

最も高級でございますのは

『カシオペアスイート』

2階がリビング

1階が寝室と

超豪華なお部屋

次いで

『カシオペアデラックス』

『上野駅』寄りの最先端車両に

展望窓が広がる

平家タイプ

私達夫婦がお邪魔いたしますのは

8号車22番の

スタンダードの個室

とはいえ

各お部屋には

ベッドとテーブル

洗面所まで完備されております。

列車の扉をくぐりますと

進行方向左手に廊下が続き

右手が客室になっております。

廊下からは

シリンダー状の螺旋階段が続き

時計回りに下ると1階キャビンのドア

反時計回りに登ると2 階キャビンのドアへと続きます。

ステップが急なので

手摺りを辿りながら

私達夫婦は2階キャビンに上がります。

ドアを開けますと

大きな窓に

たっぷりとしたシート

テーブルには

お水のペットボトルが

通路側にはもう一つ扉があり

開けるとトイレ洗面台がございます。

部屋の奥には荷物棚があり

ここに荷物を載せます。

シートはスライド式で

奥のシートは荷物スペース方向に

手間のシートは

テーブルを折り畳み進行方向に

それぞれスライドしますと

ゆったりとしたベッドになります。

牽引するのはEF81電気機関車

出発まで少々お時間がございます。

荷物を置き車外に出て

探検いたします。

ホームを『青森駅』方面に移動します。

こちらは先頭客車のサロンカー

大きな丸いフロントウインドウが

夢を掻き立てます。

この『カシオペア』

客車だけでは自走できませぬで

電気機関車に

牽引してもらうのでございます。

がっしりとした

オレンジピンクの車体

強靭な足回りに

パワフルなパンタグラフを搭載した天井部

力強さと美しさを兼ね備えた

この勇者が

私達のカシオペアを

『青森駅』までの16時間の旅に

誘ってくれるのでございます。

ホームでスタッフの方々がお見送り

車内に戻りますと

まもなく発車時刻の15時53分

『ホームで駅スタッフがお見送りします。』

と車内アナウンスがございます。

通路側に出ますと

窓越しにホームから

横断幕と団扇を持った

駅スタッフの方々が

手を振ってお見送りしてくださいます。

こちらも

一生懸命手を振って応えます。

行ってまいります。

『カシオペア』はゆっくりと走り出し

『上野駅』構内を抜け

地上へ

『田端駅』

『日暮里駅』

『王子駅』

ホームで電車を待つ人々を眺めつつ

持ち込んだビールで

旅の始まりに乾杯いたします。

『カシオペア』は『荒川』をわたり

『埼玉県』へ

『蕨駅』

『大宮駅』

『登呂駅』を過ぎ

都心部を離れ田園地帯へ

このあたりで

車内を探検いたします。

お部屋を出て

通路を進行方向に歩いてまいります。

各車両には

共同のトイレと洗面所もあります。

こちらはちょっとした談話スペース

食堂車では

第一回のディナーの準備で大忙し

先頭客車は

すべてが共用スペース

正面の大きなウィンドウから

EF81機関車のお顔を

間近で対面することができます。

ああなんという光景

『カシオペア』は『久喜駅』を

通過いたしました。

車内販売が近づくとチャイムでお知らせ

寝台特急『カシオペア』

大変ありがたいことに

車内販売もございます。

ワゴンスタッフの方が近づくと

お部屋のチャイムが鳴り

教えてくれます。

ビールとおつまみを購入

17時40分

『カシオペア』は『宇都宮駅』に到着

なんと先程のキャビンクルーの方が

『カシオペア特製弁当』を

各お部屋に届けてくださいます。

お弁当は鮮やかな朱色のナプキンに包まれた

豪華三段重


『東北』の豊かな食材をふんだんに使った

絶品のお料理の数々

『レストランディナー』ではなくとも

充分すぎるほど

立派でございます。

あたりは夕闇にすっぽりと包まれる頃

『カシオペア』は

『黒磯駅』に到着

ホームには帰宅の電車を待つ人々の姿

『白河駅』

『上野駅』を出発して約4時間

何やら通路側で

歓声があがっている模様

扉を開け階段を降りて

通路から窓越しに見えましたのは

漆黒の闇に浮かぶ

ライトアップされた『白河城』

在来線ならではの風景でございます。

『カシオペア』は

ここ『白河駅』で約30分停車

この間

貨物列車が2本

飛ぶようなスピードで

すれ違って行きました。

『郡山駅』

ホームで駅スタッフの方が

目視点検で安全確認をされています。

日付が変わる頃

『カシオペア』は福島駅』に到着

ベッド越しに

最終電車に乗る

まばらな人を眺めます。

『東北本線』の旅

『サンライズ』の旅と比較し

灯が極めて少なく感じます。

車窓の向こうはほとんど闇

時折煌々と照らされた踏切が

通り過ぎて行きます。

『瀬峰駅』

人は誰もおらず

ホームだけが

明るく照らされおります。

『一ノ関駅』

在来線のホームの向こうには

煌々と照らされ『新幹線』のホーム

まだ『新幹線』は走っておりませぬ。

『盛岡駅』

始発電車に乗り込む

乗客の方々

早朝からお仕事なのでしょうか?

見事な朝焼けに

思わず息を漏らします。

日がだいぶ高くなり

朝の眩い光が

山々と町を照らします。

待望の朝ごはん

ワゴンスタッフの方が

お部屋に届けてくださいました。

昨日のお弁当に引き続き

こちらも豪華なメニュウ

いただきます。

『カシオペア』は

『浅虫温泉駅』を通過

旅の終わりが近づいてまいります。

『東青森貨物ターミナル駅』を過ぎ

『カシオペア』は徐々に減速

『青森市街』へと入ってまいります。

午前8時32分

『カシオペア』は定刻通り

『青森駅』に到着

『上野駅』を出発して

16時間42分の旅は

あっという間でした。

豪華寝台特急『カシオペア』の旅

その運行計画は

ホームページで掲載されております。

レストランディナーや

到着地での宿泊を除いた

コンパクトなパッケージツアーですと

10万円を切って参加可能でございます。

ご予定とご予算に応じて

是非『カシオペア』の旅を

ご堪能いただければと存じます。