コルサコフの教会



1 デッサン

黒のラシャ紙の上に
裏面にデザインボンドをスプレーしたトレーシングペーパーを貼り付け
Bまた2Bの鉛筆でデッサンしてまいります。

まずは全体の構図を薄く描いた後
手前の人物とフェンスのディティールを描いて行きます。

フェンスの外から教会を見つめて立つ男性

神への罪の告白を決意したのか
祈れども沈黙を続ける神への疑問を投げかけているのか

よくわかりませぬが
この男性の後ろ姿は、想像力を掻き立てるものだと思い
描きました。



教会の屋根と『クーポル』を描いて行きます。
どうやら『トタン』のような薄い金属の板のようです。


教会の後ろの塔を描きます。
左下の壁は、実際には単なる板張りですが
それでは作品として面白味に欠けますので
アーチ型の窓のような扉のようなディティールを、それらしく入れてみます。

絵の場合は写真と異なり
こうしたアレンジが自由自在でございます。


2 カッティング

デッサンした黒のラシャ紙とトレーシングペーパーを、デスクマットの上に乗せ、デザインカッターで切ってまいります。

まずは背景の空から切ります。

北方の島『サハリン』は
真夏の8月でも涼しく爽やかでございます。

くっきりとした青空にもくもくと湧くような入道雲ーという事はございませんで
どちらかといえば春先のような霞んだ青空
という描き方にいたします。

やや長い曲線で、流れる空気の感じを出しながら切ってまいります。


『クーポル』を細かい直線と曲線を組み合わせて切ります。


さらに右側の空も切ります。


右側の奥の『クーポル』を切り進めます。


トタン屋根の部分を細かい四角で切ります。



屋根の上の『三角屋根』を切ります。


タイルのような細かい四角で、さらに屋根を切り進めます。



左側の壁上部の八画形の天窓を
細かい直線と曲線で切ります。


日さしを細かい四角で切ります。


左側の壁と彫刻入りの扉を切ります。
壁板は木目の感触を出す為
縦のやや長い曲線で
アーチ型の扉のフレーム部分はやや長い曲線
扉の彫刻は細かい曲線で切ります。

扉の彫刻は花柄ですので
なんとなく『東南アジア』っぽくなってしまいましたが
そこはご愛嬌ということでご勘弁くださいませ。


正面のレンガの門を
細かい四角で切って行きます。


曲線を描くフェンスを切ります。
渦巻き模様が一番切りにくいのですが
円の中心部から外側に向かって
焦らず切ります。




人物を切ります。
髪の毛は細かい曲線

帽子と服は、やや長い曲線で切ります。


壁板の残りの部分を切ります。

カッティングが終了しました。


黒のラシャ紙の上のトレーシングペーパーペーパーを剥がし
ラシャ紙に付着した細かい切り屑や
トレーシングペーパーの破片を
ブラシやデザインカッターの刃先で
丁寧に除去します。

3 糊付け

切り終わった黒のラシャ紙をワトソン紙の上に乗せ
ペインティングナイフで
ラシャ紙とワトソン紙の間に糊を塗り、両者を貼り付けます。


4 彩色

まずは作品全体に、太筆で水を塗り、糊を馴染ませます。

作品全体に『パーマネントイエロー』を塗り
ハイライトを作ります。



『バーントアンバー』で教会に陰影をつけます。
『プルシアンブルー』で陰影をさらにつけます。


隠し味に教会全体に『バーミリオン』をかけます。

2つの塔の上の『クーポル』
を『パーマネントイエロー』で塗り

トタンの屋根は『ターコイズブルー』で塗ります。

段々と雰囲気が出てまいりました。


教会の板張りの壁は『バーントアンバー』と『ローアンバー』で
フェンスを『プルシアンブルー』と『クリムゾンレーキ』で塗ります。

人物の帽子を『ピーコックブルー』
ジャケットを『イエローオーカー』
ズボンを『プルシアンブルー』で塗り分けます。

空を『マンガニーズブルー』で塗り完成です。