瀬戸内海に浮かぶ『安芸の宮島』
『松島』・『天橋立』と並ぶ『日本三景』のひとつとして
もはや世界的に有名な景勝地でございます。
東北に約9キロ、南西に約4キロ、総面積約30平方キロと
決して大きな島ではございませんが
かの有名な『厳島神社』を擁する地として
その歴史的、文化的価値は
人類の宝として、ゆるぎないものがございます。
フェリーはJRか、それとも松大汽船か?
『鳥取県米子市』の『皆生温泉』より
列車を乗り継ぎ、『JR宮島口駅』に到着しましたのは
午後3時近くでございました。
早春とは思えない、暖かな陽気につつまれ
フェリー乗り場へと歩いてまいります。
宮島へのフェリーは
『JR西日本宮島フェリー』と
『宮島松大汽船』の2社が就航しております。
どちらも、所要時間・料金ともに
あまり変わりはなく
どちらをご利用いただいても大丈夫でございますが、
『JR西日本宮島フェリー』は、『通常便』の他に
少々航大回りして、『大鳥居』により近い航路をとる『大鳥居便』もございます。
できましたら、キャビンの中ではなく
デッキにお上がりになり
瀬戸内海の青い海と
せまりくる『弥山』を背景に、
鮮やかな朱色に彩られた『厳島神社』と『大鳥居』を
ご覧になり、お写真を撮られてははいかがでしょうか?
春休みの時期ともあり、ご家族連れの方々でにぎわう
フェリーに乗り込みます。
『本州・広島・宮島口桟橋』より『宮島フェリーターミナル』まで
約10分間のクルーズを堪能いたします。
厳島神社へ
『宮島フェリーターミナル』に降り立ちますと
たいへんな人の賑わいでございます。
静かな日本海沿いの『皆生温泉』とは
対照的でございますな。
瀬戸内海沿いの参道を、10分程歩いてまいりますと、石灯籠が両側に並び
やがて『厳島神社』境内に到着いたします。
ユネスコの世界遺産として名高い『厳島神社』
過度な期待を寄せて、実物を見たらガッカリ・・
ということにならないか、少々心配でございますが
その心配を一瞬にして吹き飛ばすほどの
美しいお社でございます。
瀬戸内海の浅瀬の上に建つ『厳島神社』は
『平清盛』によって厚く擁護され、今の形となりました。
その後、幾たびの自然災害によって重大な被害を受けますが
その都度修復され、現在に至っております。
入り口でチケットを購入し、お社の中へ
壁のない、朱色の鮮やかな柱に彩られた回廊を、歩いてまいりますと
左手には『拝殿』があり
ジグザグの複雑な回廊を
『本社本殿』『拝殿』を見ながら
右へ、左へ、また右へと進みます。
お社のほぼ中央部、『祓い殿』から海に向かって
『平舞台』がせり出すように広がっております。
まさに、息をのむ光景でございます。
標高530メートルの『弥山』から
瀬戸内海の湾状に広がる海岸線に
羽を広げた鶴のような形状をした『厳島神社』
台風が来れば
まず『平舞台』の、すのこ状の床が荒波の衝撃を緩和し、
次に『祓い殿』の、柱に沿って可動する床が
さらに波の衝撃を無力化いたします。
『本社本殿』を取り囲む『拝殿』が大破しても
『本社本殿』は、ほぼ無傷で現在に至っております。
現代科学ももってしても、今だ解明できていない
謎の多い『厳島神社』
昔の人々の知恵と高度な技術力には
たたただ感心するばかりでございます。
厳島神社を訪れるべきは、満潮?それとも干潮?
『厳島神社』は満潮時に観に行くべきか?
それとも干潮時に観に行くべきか?
『厳島神社』が最も美しく見えるのは
やはり満潮時でしょう。
目にも鮮やかな朱塗りの神殿が
碧い海に浮かんで見える様は
心打たれるものでございます。
しかしながら干潮時には、潮の引いた海底を歩き
海側から神殿を眺めたり
大鳥居まで歩いて行くことができます。
それでは、満潮と干潮の時間をどう見計らうか?
海の水は、月の引力によって引っ張られております。
月の引力により地球上で最も海水が引っ張られ
水位が高くなるのは
月に最も近い地点と、その裏側
水位が最も低くなるのは
月に最も近い地点を0時として
3時と9時の地点
地球は自転していますので、24時間あれば
満潮(0時地点)
→干潮(3時地点)
→満潮(6時地点)
→干潮(9時地点)を通過します。
従いまして、『安芸の宮島』に24時間滞在すれば
満潮2回、干潮2回の時間帯に巡り合うことができます。
満潮、干潮の時刻は、地球と月の軌道の関係で
毎日50分ずつずれてまいります。
また潮位も、太陽との位置関係により違ってまいります。
『厳島神社』での潮位カレンダーは
こちらのサイト
http://www.miyajima.or.jp/sp/sio.html
で公開されており
満潮、干潮の時刻や潮位が記載されておりますので
お出かけのスケジュールと照らし合わせ
『厳島神社』の拝観のお時間をお決め頂ければ宜しいかと存じます。
『厳島神社』が海に浮かんで見えるのは、潮位が250cm以上
『大鳥居』まで歩いて行けるのは、潮位が100cm以下が目安でございます。