人類が、かつて経験したことのない
苦難の状況をつくり出した『COBID-19』
新種の病原体がもたらした、世界的規模の経済的インパクトは
航空業界にも甚大な影響を及ぼし続けております。
各国の入国禁止による需要の激減により
世界中の航空会社が存続の危機にたたされる中
『タイ王国』の『ナショナルフラッグキャリア』ともいえる『タイ国際航空』もまた例外ではなく
5月27日 同社は
『タイ中央破産裁判所』に『会社更生法』の適用を申請し受理されました。
負債総額は2,500億バーツ(約8,000億円)といわれております。
各メディアからは『COBIDー19』による需要激減が主要因であるかのような報道がなされましたが
実は『タイ国際航空』
『COBIDー19』蔓延のずっと以前から
巨額の赤字が続いており
いつ経営破綻してもおかしくない状況であったようでございます。
『タイ財務省』が51パーセントの株式を保有する
『ナショナルフラッグキャリア』は
ここだけのお話
空軍の天下りや
一部の政治家
高級官僚の思惑が絡み
経営の屋台骨が徐々に腐敗していったにもかかわらず
『いざとなれば、王様が助けてくれる・・・』
という甘えにより
今日の状況に陥ったといわれております。
『日本』では人気の高い『タイ国際航空』
『破産』した後も業務は継続されますが
1日も早く健全な経営を取り戻し
発展することをつよく願います。
破産までの経緯
『タイ航空の赤字補填はするが、これが最後。
これで赤字経営が改善されなければ
今度こそ政府は大鉈をふるうだろう。
タイ航空従業員は、生きるか死ぬかの瀬戸際のつもりで努力してほしい。』
『ラジオ・タイランド』の日本語放送で
『プラユット首相』の言葉が報じられた数日後
『タイ国際航空』の突然の破産のニュースに
驚いた次第でございます。
『プラユット首相』からの経営改善の至上命令を受け
『タイ国際航空』の経営陣は
①老朽化した機体の売却
②赤字路線の廃止
③新規機体購入の取りやめ
④従業員の削減・減給
⑤事業部門の分社化
を柱とした経営再建計画を建て
これが政府に受理される筈でした。
ところが、国内で大きな影響力を持つ
『タイ航空労働組合』が
この再建計画に猛反対
『会社の分割とか従業員削減には、一切応じられない』
と言い出し
結局この再建計画はお流れになってしまいました。
『もう待てない。再建計画がまとまらないなら
政府はお金を出せない。』とした『プラユット首相』の決断により
『タイ国際航空』の経営破綻に至りました。
この先どのような経営健全化が行われるのかは
現時点では全く見えませぬが
8月より『日本便』のフライトが再開されます。
今後、様子が分かり次第
記事を追記いたします。