湯治の里-山形県肘折温泉郷



『山形県』南部の湯治の里『肘折温泉』

『つたや肘折ホテル』様にお世話になりました。

『銅山』に面した4階建ての立派なホテル
実は大変珍しい秘密がございます。

ホテル客室からエレベーターで2階に降り
通路を進んでまいりますと,鉄筋コンクリートの建物が
いつの間にか両脇に和室が並ぶ木造の廊下に変わり
立派な玄関口へと至ります。

下駄を履いて外へ出ると,そこには老舗の宿やお店が軒を連ねる
温泉街の中心に出てまいります。

実は、『つたや肘折ホテル』と
湯治宿『つたや金兵衛』は
2階の渡り廊下でつながっております。

まさに『秘密の廊下』でございます。

新庄駅より肘折の里へ

『新庄駅』で、お宿のお迎えのワゴン車に乗せていただきます。

乗客は、3人のご婦人と、一組のご夫婦と、私達夫婦の、7人でございます。

市街地を抜け、川沿いの道を走り

やがて山を登ってまいります。

『新庄駅』を出て約50分

眼下に、すり鉢状の大地を見下ろします。

はるか下方に、『肘折温泉』の街並みが、広がっております。

大きなループ状の道路を下り、ワゴン車は
『肘折温泉』の街に入ってまいります。

ワゴン車は、川に面した、真新しい鉄筋コンクリートの
ホテルの前で停車いたします。

今日のお宿『つたや肘折ホテル』でございます。

まずはお部屋で一休み

広いロビーを通り、フロントでチェックインを済ませ
3階のお部屋に案内していただきます。

お部屋は、ゆったりとした和室で
窓からは、川沿いの温泉街が見渡せるのでございます。

在酢に座り、お茶をいただき
まずは、ほっと一息。

浴衣に着替えまして、ひと風呂
浴びさせていただくと、いたしましょう。

秘密の廊下を伝って外湯巡りへ

フロントで、『上の湯』のクーポンを頂きました。

『上の湯』とは、この『肘折温泉街』の
公設浴場でございます。

タオルを持って、部屋を出て

ホテルの廊下を歩いてまいります。

いつのまにか
コンクリートの新刊から、木造の旧館へと
進んでまいりました。



歴史を感じさせる、木造の建物

玄関先には、下駄が綺麗に並べられております、



下駄をお借りして、玄関先から外へ出ますと
由緒ある木造のお宿が、軒を連ねており
たいへん情緒のある光景でございます。



ここ『肘折温泉』は、湯治のために
長期間逗留される方も、多いのでございます。

浴衣姿で、下駄の音も高らかに
行き交う人々の姿に、心癒されます。



さて私達も、温泉街を少し歩いてまいりましょう。



温泉街には、お土産屋さんも、たくさんございます。



漬物や地酒など、この地ならではの商品が
店先を埋め尽くしておりまして

思わず見入ってしまいます。



ありました。

『上の湯』でございます。

入り口の番台でクーポンを渡し、建物の中に入ってまいります。

脱衣所があり、アルミサッシの扉を隔てて
大きな湯船がございます。

湯船には、何人かの、お年を召した方々が
ゆったりと浸かっておられます。

それでは私も、お邪魔させていただきます。

お湯は、熱すぎず、ぬるすぎず

調度良い湯加減でございます。

窓側の湯船には

50センチぐらいの、お地蔵の像が建っております。

旅の疲れをいやしながら

しばし、ゆっくりとお湯に浸かります。



汗を流し、さっぱりとした後で

手ぬぐい片手に、下駄の音も高らかに

ふたたび温泉街を闊歩いたします。



路の両側に軒を連ねる、由緒ある木造温泉宿の佇まいは

どれも

『絵に描いておくれよ』と言わんばかりに
私の心を魅了して、やまないのでございます。





温泉街のほぼ真ん中に位置する

『旧肘折郵便局』

ハイカラな木造2階建ての、この建物

昭和16年に郵便局として開業し
この地に逗留する方々の通信拠点となり

また、メインバンクとして活躍いたしました。



今は、川向うのモダンな建物の

新しい郵便局が

その役目を担っているのでございます。

さて、温泉街を一通り歩き
お部屋に戻るといたしましょう。

『つたや金兵衛』はもともと
湯治を目的として訪れる方々のためのお宿

地元周辺にお住まいの方々が
農閑期を利用して温泉で疲れた体を癒したり
持病を治す為に訪れます。

湯治の場合、その効用が現れるのは
1週間を1サイクルとして
3サイクルは必要と言われております。

逗留期間は長期にわたるため
湯治宿では温泉街の朝市やお店で食材を買ったり
川で釣り上げた魚を材料として
自らが自炊をして過ごすのが一般的ですが

『つたや金兵衛』では
朝夕2食付きで一泊5,000円という
大変ご利用し易い価格となっております。

もちろん、共同の炊事場もありますので
自炊も可能でございます。

浴室『宝泉』は混浴となっており
老夫婦が2人で一緒に入れるようにとの配慮でございます。

湯船は2つありそれぞれ源泉の割合が異なりますので
入った感じの違いを楽しむことができます。

正しい『湯治』とは?

『湯治』の効用が現れるのは
最低でも1週間と言われております。

まず最初は、入浴は1日1回

そして日が経つにつれ2回、3回と徐々に増やしてまいりますが
1日3回が限度と言われております。

まずは、湯船に浸かる前に、足→腰→胸とかけ湯をし
ゆっくりと湯船に浸かります。

だいたい3分から10分、のぼせに注意いたしましょう。

お風呂から上がる時は、なるべく温泉を流さないよう
シャワー控えめに体をさっと流します。

湯上りには、水分補給をどうぞお忘れなく。

湯治の期間は1週間から3週間

忙しい現代人にとっては
このような長期間の休暇を摂ることは、なかなか難しゅうございますな。

そこで最近『プチ湯治』をされる方々が増えております。

1箇所の温泉宿に2泊3日もしくは3泊4日逗留し
観光目的と申し上げるよりは
休養のために短期間で湯治します。

慌ただしい毎日の中で
ストレス過多に落ちいっている現代人にとって
心身ともにリフレッシュできる機会は
大変重要でございますな。

まず1日目は

夕方お宿に到着し、一休みした後
軽く温泉に浸かります。

お夕食の後30分以上経ってから

2度目の入浴をし

ぐっすりとお休みします。

2日目は

朝食の後、午前10時以降
チェックアウトが終わって空いている時間で
1回目の入浴

お昼ご飯を食べ

お部屋でゆっくりくつろいだ後

午後3時頃に外湯巡りで2回目の入浴

お夕食の後30分以上経ってから

3回目の入浴をし

ぐっすりと就寝

3日目は

朝お目覚めの後に入浴

朝食をいただき

一休みして身支度を整え

チェックアウトいたします。

3ヶ月してまた忙しい日々を過ごした後

リフレッシュの為に『プチ湯治』に出かける
というのは如何でございましょう?

その際はぜひ『肘折温泉郷』へと
お運びくださいませ。

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