必見!コルサコフの歴史ある建造物ー旧大泊日本領事館跡

 

サハリン』5日間の旅行も4日目

『ユジノサハリンスク』の南
『宗谷海峡』を臨む港町『コルサコフ』を訪れました。

『アニワ湾』から車で5分くらい山の方向に登ったところに
『旧樺太大泊大使館』がございます。

『大使館』修復プロジェクトのマネージャー
セルゲイさん

私達を心温かく迎えてくださり
『旧大使館』の建物内部や、隣接する教会をご案内してくださいました。

サハリン第二の都市コルサコフ

2017年8月21日(月)
サハリン時間午前9時30分

霧につつまれた幹線道路を,南に向かって走ります。

道路の両側に広がる山々とダーチャも
時折、霧にすっぽりとつつまれてしまいます。

コルサコフ

『ユジノサハリンスク』に次ぐ,サハリン第二の都市。

人口は約33,000人『アニワ湾』を望む、大きな港町です。

『コルサコフ』と『稚内』は
『宗谷海峡』を渡るフェリーの航路で結ばれており
『日本』への玄関口でございます。

『日本』の豪華クルーズ客船も寄港し
多くの観光客の方々が、この『コルサコフ』の港に降り立ちます。

『ユジノサハリンスク』を出発し約1時間

『右側に、アニワ湾が広がっています』

ガイドのイリーナさんが説明してくださいますが
車窓の外は霧に包まれており、海は全く見えませぬ。

在コルサコフ日本領事館跡

港に沿って走る道路から、山側に向かって
坂道をすこし上がりますと、門が見えてまいります。

『在コルサコフ日本領事館跡』でございます。

チェーホフも訪れた日本領事館

『在コルサコフ日本領事館』が開設されたのは
1876年(明治9年)4月1日のことでございます。

当時『コルサコフ港』を基点として
『サハリン』南方で出稼ぎ操業していた漁師さん等
この地に滞在する邦人保護を目的とし
領事館が発足したのでございます。

1890年(明治23年)4月から12月に
取材のため『サハリン』を訪れた『アントン チェーホフ』も『日本領事館』を訪れます。

『アントン チェーホフ』は
『久世 原(くぜ げん)』ら3人の領事と親交を深めます。

『日本』の領事達は礼儀正しく
『ロシア語』にも堪能であることに『チェーホフ』は驚きをおぼえます。

彼らの事務所の本棚にずらりと並んだ
『ロシア語』『フランス語』の書物から
彼らが勉強熱心なことに感銘を受け

お互いの家で『シャンパン』を酌み交わすほど
親密な間柄となりました。

1904年『ポーツマス条約』により

『サハリン』北緯50度以南は
『樺太』として『日本』の統治となりますが

1945年8月の『ソ連樺太侵攻』以降は

『日本領事館』の建物は、なんと
私達夫婦が訪れる2ヶ月前まで
政府関係の方々が、ご家族とともに住まれており

そのご家族の転出によって、これが
改装の機会となりました。

歴史ある『在コルサコフ日本領事館』

その建物と歴史空間に入ることができましたのは

本当に『幸運』としか申し上げようがございませぬ。

立派な柱に暖炉・二重窓-壁の藁は大切に持ち帰ります

門をくぐると、正面にどっしりとした
木造の古い家屋が建っております。

敷地の中庭で、数人の男性が
作業をされています。

その中のおひとりが
こちらに、歩いてこられます。

工事主任のセルゲイさん
私達を、案内してくださるそうです。

よろしくお願いいたします。

セルゲイさん、木造の家屋
『旧コルサコフ領事艇』の扉の鍵を開け
私達に中を見せてくださいました。

かなり老朽化していますが

しっかりとした柱や梁

太い木材で組まれた外壁

内壁には、土の壁が設けられております。

夏は涼しく、冬は暖かく
快適であったことでしょう。

美しい壁紙に彩られたリビング

立派な暖炉

140年の時を経て今に残る
優れた建築物でございます。

 

実はこの建物、ごく最近まで
政府関係の方と、そのご家族が住まわれていたそうです。

そのご家族が引っ越しをされ、空き家となったため
どうやら、この老朽化した『領事館』の建物を
リフォームするようでございます。

もともと、基礎がしっかりと造られた建物でございます。
リフォーム後は、さぞかし立派な建物になることでしょう。
その姿を、いつかまた見たいものでございます。

セルゲイさん
壁の断面から出ていた
20センチぐらいの藁を抜き取り
私に下さいました。

なんと、貴重なものを頂戴し
ありがとうございます。

大切に、日本に持ち帰らせて
いただきます。

『SHINAGAWA』と描かれた煉瓦

玄関を出て
『旧日本領事館邸』の外へ

セルゲイさん、なにやら
石のかたまりを持ってこられ

地面に置かれました。

『SHINAGAWA』と書かれた
煉瓦でございます。

『品川』というのは
日本の、東京湾に面した都市で
今は、高層ビルが立ち並んでいます。

もしかしたら、この煉瓦は
その昔『品川』で作られたのかも
しれません。

イリーナさんに、通訳してもらい
セルゲイさんにお伝えします。

領事館の門を出て
隣の敷地へまいります。

坂の上には、美しい教会が
建っております。

巨大なボイラー室の跡

敷地の中央に
コンクリートで囲まれた
巨大な地下室跡がございます。

昔は、この上に建物が建っており
この地下室は、ボイラー室として
使用されていたそうです。

教会の中へ

セルゲイさん
私達を、教会の中へ案内してくださいます。

礼拝堂入り口には、たくさんの絵や、
置物が飾ってあります。

セルゲイさん、その中から
ロシア正教会が描かれた
小さなポートレートを取り
私に下さいました。

貴重なものを頂戴し
本当にありがとうございます。
大切にいたします。

この教会、2年後にはリニューアルされ
美しい庭園とともに、市民の憩いの場に
なるそうです。

セルゲイさん
お仕事中、私達を案内してくださり

また貴重なものを頂戴し
本当にありがとうございました。

きっとまた、ここへまいります。
どうか、お元気で。。

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