魚も野菜も線路ぎりぎり?!タイ・メークロン鉄道市場は世界の陳風景



『タイ国営鉄道メークロン駅』の終着駅『メークロン』

単線の線路に沿って約200メートルにわたって並ぶお店の数々は
野菜や果物、肉や魚、雑貨やお土産品に至るまで
さまざまな商品が線路ギリギリまで並べられ

買い物客は、線路の上を覆うテントの下を
線路を歩きながら、両側のお店にならぶ品々を
品定めして歩きます。

いざ電車が通る時間が近づくと
線路の上を覆うテントは電光石火のごとく畳まれ
線路の上を歩いていた買い物客は、店の軒先に避難し
目の前をゆっくりと通り過ぎる電車をやり過ごします。

そして何事もなかったかの如く
テントは再び開かれ、営業が再開いたします。

この世界一不思議な鉄道マーケットを
体験してまいりましょう。

メークロン駅

『バンコク』市内中心部より、車で約1時間
『メークロン川』のほとりにある『メークロン駅』に到着します。

トタン屋根を支える、レールを利用した柱の駅舎には
線路とほぼ同じ高さのコンクリートのホームと
切符売り場がございます。

駅舎の両側には、食堂やお土産屋さんになっております。

駅舎の端にはトイレ棟があり
入り口のデスクに座っておられる受付の方に
5バーツを払い使用できます。

もちろん水洗で、よく手入れされておりますので
何ら問題はございません。

こちら以外には、見たところトイレは無さそうでしたし
『パンダバスツアー』にご参加の方は
こちらが唯一のトイレ休憩となりますので

こちらで済ませて頂くと安心でございます。

さて、駅舎より、車やバイクと人々が往来する通りを隔てまして
マーケットがございます。

そして唯一、特徴的な点

そのマーケットに向かって、
線路が伸びているのでございます。

早速通りを横断し、線路の上を歩いてまいります。

テントに覆われ、少し暗くなったマーケットの中へと
砂利と枕木を踏みしめながら、歩いてまいります。

人々で賑わう線路のマーケット

洋服屋さん
雑貨屋さん
お土産屋さん
籠にたっぷりと積まれた野菜や果物のお店
店先のまな板で、包丁を使って豪快に魚をさばいているお店



さまざまな品物が並ぶマーケットは
線路脇から奥へと広がる建物の中にまで
たくさんのお店が軒を連ねております。



どこまでも続くと思われる線路のマーケット

適当なところで降り返し、『メークロン』の駅舎に戻ります。

 



『パンダバスツアー』のコースには、昼食がついておりまして
駅の食堂でお蕎麦を頂きます。

鶏肉のお蕎麦

それほど辛くもなく、さっぱりとして美味しゅうございます。

列車到着前に素早く畳まれるテント

まもなく午前11時10分

『メークロン駅』に列車が近づいていることが
アナウンスで伝えられます。



通りの遮断機が下りはじめ、警備員の男性が
行き交う人々に、線路を空けるよう指示します。

警笛とともに、ゆっくりと列車がやってまいります。

店先に並べられた商品と
スマートフォンをかざす人々をすり抜けるようにして
列車は無事『メークロン駅』に停車いたします。



さて、こんどはこの列車に乗り込み
四つ先の駅『バン・ナコック駅』までまいります。

かなり年季の入った車内の椅子に座り、待つこと20分




アナウンスとともに、列車はゆっくりと
『メークロン駅』を発車いたします。

通りを渡り、車窓のすぐ下には
マーケットに並ぶさまざまな品物と
店先に立つ人が、間近に通り過ぎてゆきます。




200メートルほど続くマーケットを通り過ぎると
列車は速度を上げ、田園地帯を走ります。

この辺りは太古の昔、海底であったところが
地殻変動によって隆起したため、岩塩を多く含んでおり
塩田がどこまでも続きます。

『メークロン駅』に到着する列車は、一日4本

マーケットの方々は、一日8回、テントを上げ下げすることになりますな。

列車は『バン・ナコック駅』に到着。

ここで列車を降り、『パンダバスツアー』のワゴン車で
『バンコク』市内へと戻ってまいります。

どうして『鉄道マーケット』?

そもそも、この『鉄道マーケット』は
どのような経緯でできたのでしょう?

これは私の想像でございます。

『日本』の電車の駅に『商店街』がありますように
『メークロン駅』周辺にも自然と人々が集まり
やがて『市場』ができます。

『市場』は思いのほか活況を呈し
徐々に規模も大きくなり
だんだんと手狭になってまいります。

『そうだ。線路を通りに見立て
両側にお店を出してしまおう。
どうせ1日4本しか電車は来ないのだし
電車が来るときだけ線路を開ければいい!』

誰かの言った一言で、線路脇のお店ができました。

『それにしても、直射日光が熱い。
野菜や魚がいたんでしまう。

そうだ。傘のように一瞬で畳めるテントをつけよう。
電車が通る時だけテントを畳めば良いのだ。』

誰かが考えたこの方法が
たちまちマーケット内に広がりました。

『線路脇の市場』
『日本』ではまず考えられない『珍風景』

『タイ』国内のみならず
今や全世界から人々が観光に訪れる名所
『メークロン鉄道マーケット』

『鉄路』という資源設備を最大限に有効活用し
一大アミューズメントにしてしまった
『メークロン』の人々は
偉大な『エンターテイナー』と言えましょう。

赤や黄色の色鮮やかな野菜や果物
巨大な川魚の半身

線路ギリギリまで並べられた
数多くの珍しい品物を見定めて

行き交う人々

一度、列車の通る時刻ともなれば
線路の上を覆うテントは一瞬にして畳まれ

お店の人も

買い物客も

観光客も

軒先によけて
目の前をゆっくりと通る列車を
やり過ごします。

『メークロン鉄道市場』

この独特な雰囲気の市場の風景を
『切絵』の作品として制作し

『極東切絵紀行』に掲載させて頂いておりますが

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