シベリア鉄道に乗車したら、まず最初にやるべき事



シベリア鉄路に乗車したら、まず最初にやるべき事

それは

『トランクから当座に必要なものを出した後トランクをしまう』

事でございます。

なんだ。そんな当たり前の事・・・

とお思いかもしれませぬが、この作業
以外と重労働でございます。

しかも、『当座に必要なもの』を
あらかじめひとまとめにして
トランクに詰めておくなど
乗車前から段取りを整えておきませぬと

乗車してからてんやわんやの状態に
陥る可能性もございます。

ハバロフスク(Хабаровск)駅舎から列車に急ぐ

列車の発車時刻がせまってまいりました。

私達の乗るべき『43番列車』を目指すのですが

『シベリア鉄道』には自動改札口も
スイカもイコカもございませぬ。

私達が向かった先 それは
立派な駅舎の一番左端にある、保線橋でございます。



保線橋の階段を登ると、
十数本もの線路が広がり
列車が停車しております。

 

添乗員の小林さんについてゆき
保線橋の、ほぼ中央で階段を降り
線路と同じ高さのホームを
車両にそって歩きます。

これが、私たちの乗車する
『43番列車』です。



ホームでは、別れを惜しむ家族

抱擁を交わす
軍服に身を包んだ男性と
赤い服を着た美しい女性

さまざまなドラマがありました。

車両下の重層な車輪やギアを右に見ながら
ホームを歩いてゆきます。



私達の車両は『6号車』
比較的、先頭に近い場所でございます。

先頭の電気機関車を、目に捉えることができます。



タラップの設置された昇降口では
お二人ともお若い、男性と女性の車掌さんが
迎えてくださいました。

そう、『シベリア鉄道』では
乗るべき列車の車両の昇降口で
車掌さん自らが、チェックイン手続きを
行ってくれるのでございます。

タラップを上がり、車内へと入ります。

タラップをあがると
まずは客室へのドアがあり

ドアをくぐると
進行方向左側が、通路
右側が、4人1部屋の
コンパートメントが並んでおります。



私達夫婦は、飯野ご夫妻と
御一緒させていただきます。

3日間、どうぞよろしくお願いいたします。



コンパートメントには
向かい合った座席件ベッド
その上に、折り畳み式上段ベッド
入り口側(進行方向左側)には
上段ベッドに登るための梯子

窓際にテーブルがございます。

まずはトランクから必要なものを取り出す。

シベリア鉄道に乗車し
ご自分のコンパートメントとお席に着かれましたら
トランクを開け

『当座に必要なもの』

を取り出していただきます。

『当座に必要なもの』とは

①マグカップ 紙のお皿などの食器類
②粉末コーヒー カップラーメンなどの食品
③ティッシュペーパー 歯ブラシなどの洗面用具
④化粧品やお薬
⑤tシャツ ジャージなど車内で過ごす軽装着
⑥スリッパやサンダル
⑦スマートフォン カメラの充電器

トランクをしまう

『当座に必要なもの』を取り出しましたら
トランクを閉じて、しまいます。

しまう先でございますが
お席が下段の場合は、座席を上にあげますと
そこが格納スペースになっております。
トランクと一緒に靴もしまいましょう。

お席が上段の場合は少々大変でございますが
まずはトランクを上段ベッドに乗せます。

次にハシゴを使って上段ベッドに上がっていただき
トランクをコンパートメントの扉側の格納スペースに
しまっていただきます。

ちょうど通路の天井裏に当たる部分が
格納スペースになっております。
靴もビニール袋に入れて格納いたします。

そうこうしておりますうちに
車掌さんがシーツと毛布カバーを配りに来られますの
で、これを受け取ります。

いつの間にか、列車は発車しており
今、『アムール川』の鉄橋をわたっております。

さて、『イルクーツク』まで三日三晩の鉄道の旅が始まりました。



さて、ここらでお昼といたしましょう。

ハバロフスクのショッピングセンターで
購入したピロシキは、お肉たっぷりで
大変美味しゅうございます。

シベリア鉄道の車窓から

ここからは、少々余談でございますが

『シベリア鉄道』車窓からの風景につきまして
レポートさせていただきます。

ビロビジャン(Биробиджан)

ハバロフスクを出発して
1時間くらい経ったでしょうか?

列車は、ビロビジャン駅に到着。



かつて、第二次世界対戦が勃発するよりも前のこと
ソビエト政府は、ユダヤの人々のために
この地を提供します。

ここビロビジャンに、ユダヤ人の国家を

希望を胸に、この地に入植してきた人々を
待地受けていたのは、あまりにも過酷な自然環境

夏には蚊や虫が蔓延し
冬はマイナス40度までに達する極寒に襲われ

もともと都市型の生活を好んだ人々は
農耕による生活にも馴染めず

失意のうちに、この地を去ってゆかれました。

駅舎に、ロシア語とヘブライ語の駅名が併記されているのは
そうした歴史的背景によるものです。



今や、紡績・ニット・フェルトや軽工業を主産業とする
人口8万人の都市は

私が赤ん坊の頃育った新潟市と
姉妹都市の関係にあるそうで、少し親しみを感じます。

いつか、この街を再び訪れ、歩いてみたいものでございます。

 

オブルチェ(ОБЛУЧЬЕ )

19時49分

列車は『オブルチェ』駅に到着。



15分の停車時間を利用し、
列車の外に出ます。

午後8時近くというのに、
空は、まだ明るいのでございます。

先頭車両までゆき
機関車を写真に収めることができました。



シベリア鉄道は
『ウラジオストック』から
モスクワの『ヤロスラブリ』まで
9288キロという、気の遠くなるような距離を
7晩かけて、走破するのでございます。

その間、客車を引っ張る電気機関車も
何度か交代いたします。

トップランナーの赤い電気機関車
可愛らしいですな。



オブルチェの駅を出発し、
遅めの夕食でございます。

日本から持ち込んだカップ拉麺
車両の端に設置された給湯器
『サモワール』からは24時間
お湯をいただくことができます。

暮れ行く車窓の風景を見ながらいただく
質素な食事もまた、格別でございます。

 

夜十時を過ぎて、部屋を消灯し
梯子を上り、ベッドにもぐりこみます。

ロシアの、長い2日目が終わりました。

 

夜中の1時半ごろ
列車が止まりました。

 

たぶん、『ベロゴルスク(Белого?рск)』の駅です。
列車は30分程停車し
機関車の交換も行われるはずです。

 

ベッドから起きて、
夜中のホームの写真を撮ろうかとも考えましたが
皆さんお休み中なので、音をたてるのも忍びなく

ふたたび眠ってしまいました。

 

 

鉄路がずらりと並ぶ
広大な『ハバロフスク駅』のプラットフォーム

『日本』とは異なり
プラットフォームの高さは
ほぼ鉄路と同じくらい

列車への乗り降りは
車両前後のドアから、折り畳み式で展開されるタラップ

そのの横に立ち

乗客たちの切符を確認し

チェックイン手続きを行う
2人のプラヴァドニーク(車掌さん)と

談笑する現地旅行社のスタッフの方

その光景を『切絵』の作品にいたしました。

旅先での想い出や

ちょっとしたエピソードは

『切絵』のモチーフとして
大変面白いものでございます。



白いお肌に碧い瞳
ブロンドの髪

『ロシア』の人々は、男性も女性も
美しい方々ばかり

『シベリア鉄道』の旅で
出会った人々の想い出をもとに

『切絵』の作品を制作するプロセスを

無料のメールマガジン
『極東切絵工房』でお伝えしております。

『切絵』の技術は
私が『上野』や『鎌倉』で開催される公募展への出品など
日々の創作活動で試行錯誤を繰り返しながら体得した貴重なもの

小刀一本を自由自在に操り

人物の顔の表情や
髪の毛の感じ
手の仕草
衣服の質感など

あらゆるものを表現できます。

『極東切絵工房』は
いわば無料の『切絵教室』

少し余裕もできたし
何か手頃なクラフトを趣味ではじめたい

でも『カルチャーセンター』も近くにないし

『油彩』や『日本画』のように
高価な道具を揃えても、続くかどうか心配

とおっしゃるあなた様

『切絵』はデザインカッターと黒い紙
デスクマットと水彩絵の具があればOKでございます。

一見、複雑そうに見える『切絵』の作品も
タネを明かせば、実は簡単でございます。

絵を観るのは好きだが、自分で描くのは

とおっしゃるあなた様

デッサンからカッティング
彩色の工程を経て

絵にまつわるエピソードや
その時に私が感じたことなどを織り交ぜながら

少しずつ出来上がってゆく作品を観ることは
ただ単に完成品を観るよりも
数倍の楽しさがございます。

メールマガジン
『極東切絵工房』

お申し込みは
メールアドレスをご入力いただくだけ

ご購読は無料

解除も一瞬で可能でございます。

ぜひお気軽にお申し込みくださいませ。














メールアドレス

コメントを残す

*